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2022年11月20日(日)
大谷翔平選手に対する損害賠償請求について
1 新聞記事では、ほとんど取り上げられていませんが、アメリカで経営破綻した暗号資産(仮想通貨)の
大手交換所FTXに絡んで、同社の広告に出ていた大谷翔平選手やテニスの大阪なおみ選手が、
米国の投資家から提訴された、との報道がありました。
賠償請求額の詳細は不詳のようですが、米国のことですから、とんでもない金額が請求されているものと
想像されます。
訴訟の帰趨も気になりますが。率直な感想として、どうしてそのような危ない会社の広告に出演を承諾して
しまったのか、とても残念です(来季のパフォーマンスに悪影響を与えなければ良いと、そちらも心配)。
2 日本でも、著名な歌手が詐欺的商法を行った会社の主催するコンサートに多数回にわたり出演した事が、
その詐欺的会社の商行為を幇助したことになるとして、損害賠償請求された事例があります。
その事例は、平成22年11月25日付東京地方裁判所の判決ですが、その判決では、賠償を求めた原告の
請求が棄却されています。
その理由は、簡単に言えば、
@ コンサートの中で、被告の歌手が当該会社の社長とゴルフや食事などを共にしたことがあると
表明していても、それ以上に当該会社やその商品を推奨するような具体的発言をしていることは、
証拠上認められず、積極的に当該会社を推奨したとは言えない。
A 被告となった芸能人は、コンサートに出演していた時点では、当該会社が詐欺商法のような違法行為を
行う悪質業者であると認識することは出来なかった(疑念が発覚した後は出演していない)こと。
B 芸能人が広告に出演する場合に、広告主の事業内容、商品等について、常に調査しなければならない、
という一般的注意義務を認めることは、過度な負担を強いるもので相当ではない。
という判断に基づくものです。
3 大谷選手の例では、どの程度の露出度があったのかも不明ですが、例えば、三菱UFJ銀行のポスターに
出演している程度の露出であれば、我が国の判例の考え方からすれば、拾中、八、九、請求棄却となる
ものと思われます。そうなることを切に願います。
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大手交換所FTXに絡んで、同社の広告に出ていた大谷翔平選手やテニスの大阪なおみ選手が、
米国の投資家から提訴された、との報道がありました。
賠償請求額の詳細は不詳のようですが、米国のことですから、とんでもない金額が請求されているものと
想像されます。
訴訟の帰趨も気になりますが。率直な感想として、どうしてそのような危ない会社の広告に出演を承諾して
しまったのか、とても残念です(来季のパフォーマンスに悪影響を与えなければ良いと、そちらも心配)。
2 日本でも、著名な歌手が詐欺的商法を行った会社の主催するコンサートに多数回にわたり出演した事が、
その詐欺的会社の商行為を幇助したことになるとして、損害賠償請求された事例があります。
その事例は、平成22年11月25日付東京地方裁判所の判決ですが、その判決では、賠償を求めた原告の
請求が棄却されています。
その理由は、簡単に言えば、
@ コンサートの中で、被告の歌手が当該会社の社長とゴルフや食事などを共にしたことがあると
表明していても、それ以上に当該会社やその商品を推奨するような具体的発言をしていることは、
証拠上認められず、積極的に当該会社を推奨したとは言えない。
A 被告となった芸能人は、コンサートに出演していた時点では、当該会社が詐欺商法のような違法行為を
行う悪質業者であると認識することは出来なかった(疑念が発覚した後は出演していない)こと。
B 芸能人が広告に出演する場合に、広告主の事業内容、商品等について、常に調査しなければならない、
という一般的注意義務を認めることは、過度な負担を強いるもので相当ではない。
という判断に基づくものです。
3 大谷選手の例では、どの程度の露出度があったのかも不明ですが、例えば、三菱UFJ銀行のポスターに
出演している程度の露出であれば、我が国の判例の考え方からすれば、拾中、八、九、請求棄却となる
ものと思われます。そうなることを切に願います。